「スマホの中の“うちの子”を、どう残す?テレビで話題の3Dフィギュアと、あえて今『和紙と筆』を選ぶという贅沢な選択について」

【はじめに】愛する家族の「形」を残したい、その切実な思い

こんにちは。店長補佐の福井です。

知人デザイナーの「猫とか描く境井さん」から聞いたことをお伝えします。

毎日、アトリエで和紙と向き合い、筆を走らせていると、ふと感じることがあります。それは、私たちが描いているのは単なる「動物の絵」ではなく、飼い主様の心の中にある「温かい記憶」そのものなのだということです。

最近、テレビやSNSでペット関連のニュースを目にする機会が増えました。特に注目されているのが、「愛ペットの3Dフィギュア化」という新しい技術です。

「まるで生きているみたい」「あの子が帰ってきたよう」

そんな声と共に紹介される最新技術。なぜ今、これほどまでに形に残すことが求められているのでしょうか?そして、デジタルの極致とも言える3D技術が進化する現代において、なぜ私たちはあえて「和紙と筆」という、千年前から変わらないアナログな技法にこだわり続けるのか。

今日は、流行の背景を紐解きながら、私たちがお届けしたい「一枚の絵」の持つ、かけがえのない価値について、少し長く、深くお話しさせていただきたいと思います。


1. なぜ今、3Dフィギュアが爆発的に流行っているのか?

最近、朝の情報番組やバラエティ番組(例えば『マツコの知らない世界』やニュース番組の特集など)でも、ペットの「うちの子グッズ」特集が組まれることが増えました。その中でも特に異彩を放っているのが、3Dスキャンや写真から作るリアルなフィギュアです。

引用・背景にある事情

メディアや市場調査(※1)によると、このブームの背景には現代特有の「ある悩み」と「心理」が隠されていると言われています。

① 写真はすべて「スマホの画面の中」というジレンマ

私たちは毎日、愛犬や愛猫の写真を撮ります。その数は数千枚、数万枚に及ぶことも珍しくありません。しかし、その膨大なデータはどうなっているでしょうか? クラウド上に保存されたまま、あるいは機種変更のタイミングで埋もれてしまい、「見返さないデータ」になってしまっているのです。 「写真はたくさんあるのに、触れられない」。このデジタル特有の欠落感を埋めるために、物理的な「形」あるものが求められています。

② 「リアリティ」への渇望とペットロスの癒やし

3Dフィギュアが支持される最大の理由は、その「存在感」です。 技術の進歩により、毛並みの凹凸や体のフォルムまで再現可能になりました。亡くなってしまったペットともう一度会いたい、あの背中を撫でたい。そんな切実な「ペットロス」の心の穴を埋める手段として、3Dフィギュアは非常に強力なツールとなっています。 画面越しの2D(平面)ではなく、3D(立体)であることに、現代人は「再会」の夢を託しているのです。

(※1 参照:近年拡大するペットテック市場とメモリアルサービスに関する報道より)


2. デジタル・3Dの限界と、ふと気づく「違和感」

しかし、3Dフィギュアの制作を検討されたお客様から、時折このような声を聞くこともあります。

「リアルすぎて、逆に悲しくなってしまった」 「形は同じはずなのに、何かが違う気がする」

これは「不気味の谷」現象とも呼ばれますが、あまりに写実的すぎると、逆に「魂が入っていないこと」が浮き彫りになってしまうことがあるのです。プラスチックや樹脂でできたその瞳は、光を反射こそしても、かつてあなたを見つめてくれたあの温かい眼差しとは、どこか違う。

また、インテリアとしての側面もあります。 リアルなフィギュアは、置き場所に困ることもあります。リビングのインテリアに馴染まなかったり、時間が経つとホコリを被ってしまったり…。

「形」そのものをコピーすることはできても、「雰囲気」や「空気感」、そして飼い主様だけが知っている「その子らしさ」までを3Dデータで再現するのは、実は至難の業なのです。


3. 日本の伝統「和紙」と「筆」が描く、もう一つのリアリティ

そこで、私たちが提案したいのが、「和紙にプロの絵師が筆で描く」という選択肢です。

3Dフィギュアが「形(ハード)」の再現だとするなら、私たちの絵画は「魂(ソフト)」と「絆」の再現です。

なぜ「和紙」なのか?

私たちがキャンバスではなく、あえて日本の伝統工芸品である**「和紙」**を使用するのには、大きな理由があります。

  1. 「呼吸する」素材であること 和紙は植物の繊維が複雑に絡み合ってできています。この繊維の隙間が空気を含み、光を柔らかく乱反射させます。これにより、描かれたペットの毛並みに、写真やデジタルプリントでは表現できない「ふんわりとした柔らかさ」と「温もり」が生まれます。
  2. 千年持つ耐久性 「和紙は千年持つ」と言われるほど、保存性が高い素材です。プラスチックはいずれ劣化し変色しますが、適切な環境にある和紙は、数百年、数千年とその姿を留めます。あなたの大切な家族の記憶を、文字通り「永遠」に残すことができる素材なのです。

プロの絵師による「記憶の翻訳」

当店で筆を執るのは、技術を研鑽したプロの絵師です。 私たちは、単にお預かりした写真を模写しているのではありません。

  • 「この子なら、この角度で見つめる時、もっと優しい目をするはずだ」
  • 「光の中で毛先がもっと透き通るように見えたはずだ」

お預かりした写真(スマホの中のデータ)を元にしながらも、飼い主様の想いや、その子が持っていた「愛らしさ」を汲み取り、筆致(タッチ)に乗せていきます。

3Dスキャナーは「形」を正確に測りますが、絵師は「心」を感じ取って描きます。 不要な背景を消し、その子が一番輝く色彩を背景に施す。あえて輪郭を滲ませることで、動きや気配を表現する。 これは、人間の手、そしてアーティストの感性を通さないと絶対に生まれない表現です。


4. 実際の作品から見る「空気感」の違い

ここで、実際にお客様にお届けした作品をご覧ください。 (※ここにアップロードされた猫ちゃんの画像を掲載)

この猫ちゃんの瞳を見てください。 ただ青い絵の具を塗っただけではありません。和紙の繊維に水彩が染み込み、色が重なり合うことで、奥深い透明感が生まれています。 そして、首周りの豊かな毛並み。一本一本を細かく描くだけでなく、筆の水分量を調整し、和紙特有の「にじみ」や「ぼかし」を使うことで、触れたくなるようなフワフワとした質感を表現しています。

もしこれが3Dフィギュアだったらどうでしょう? 確かに形は正確に再現されるでしょう。しかし、この「絵画」から漂うような、優雅で静謐な空気感、そして背景の紫陽花と調和した芸術的な美しさは、樹脂の塊からは感じ取ることが難しいものです。


5. 「飾る」ことが、最高の供養であり、愛情表現

3Dフィギュアと絵画、決定的な違いは「生活空間への馴染み方」です。

和紙のアートは、額装することで立派なインテリアになります。 玄関に、リビングのソファの上に、あるいは寝室に。 日本の家屋にも、モダンな洋室にも、和紙の優しい風合いは驚くほど自然に溶け込みます。

スマホの中に数万枚の写真があっても、画面を閉じれば真っ暗です。 しかし、壁に飾られた一枚の絵は、あなたがふと顔を上げた時、いつでもそこで優しく微笑みかけてくれます。

  • 朝、出かける時に「行ってきます」と声をかける場所。
  • 夜、疲れて帰ってきた時に、ふと目が合って癒やされる瞬間。

生活の中に自然に「あの子」がいる。 それが絵画の持つ力です。フィギュアのように場所を取ることもなく、ホコリを被って寂しい姿になることもありません。時が経つほどに和紙の風合いが増し、家族の歴史の一部として家を見守り続けてくれます。


6. おわりに:あなただけの「名画」を残しませんか?

テレビで話題の3Dフィギュア、それは確かに素晴らしい技術であり、新しい思い出の残し方の一つです。その技術を否定するつもりはありません。

しかし、もしあなたが求めているのが、 単なる「リアルな形」ではなく、 「あの子の温もり」や「魂の輝き」、 そして「部屋を美しく彩るアートとしての思い出」であるならば。

ぜひ、日本の伝統技術である和紙と、プロの絵師の手仕事を信じてみてください。

スマホの中に眠っている、とっておきの写真を選んで送ってください。 ピントが少し甘くても構いません。背景が散らかっていても大丈夫です。 私たちが、その写真の中に隠された「あの子らしさ」を最大限に引き出し、世界に一枚だけの、和紙のアートとして蘇らせます。

筆が和紙の上を走る時、そこには祈りにも似た想いが込められます。 あなたの大切な家族を、千年残る和紙の上に。

現在、制作のご依頼が混み合っておりますが、一枚一枚、心を込めて描かせていただいております。 あなたと、あなたの大切な「うちの子」との出会いを、心よりお待ちしております。


【当店のアート制作について】

  • 技法: 高級和紙への手描き(水彩・岩絵具など)
  • サイズ: B6サイズ〜
  • 制作期間: 写真をお預かりしてから約2週間
  • 価格: 1,000,000円〜

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